2月18日(水)
京都は四季それぞれで非公開文化財の特別拝観の企画をしている。
旅の2日目は、この特別拝観のある名勝庭園の寺を選び見学することにした。
9時に宿を出発し、琵琶湖疏水を見学した後、午前中は山県有朋の別荘「無鄰菴」を拝観。さらに南に下り、知恩院、高台寺を見学した。
■無鄰菴 南禅寺界隈別荘
無鄰菴は、明治29年に造営された政治家山縣有朋の別荘。南禅寺界隈別荘群の中で唯一通年公開されている庭園で、昭和26年(1951年)に国の名勝に指定されている。
無鄰菴の中を流れる小川の水は、琵琶湖疏水の水をサイフォンの原理を使って持ち上げている。
■知恩院 浄土宗総本山
浄土宗の総本山で、徳川家康が浄土教信者であったことから将軍家の庇護を受けている。知恩院の伽藍は江戸時代に入り、徳川家康から秀忠にかけて建立され、その後の火災で焼失したものは家光が再興している。
・特別拝観個所:大方丈と小方丈 (写真撮影禁止)
檜皮葺(ひわだぶき)で二条城と同様の書院造りとなっている。徳川幕府はここを二条城の代替機能として建立したようで、冠者対策としての「鶯張り廊下」や、将軍が座る上段の間には武者隠しが設けられている。
大方丈はフォーマルな大部屋で狩野派による豪華な襖絵で彩られている。一方の小方丈は、将軍のプライベート部屋として落ち着いた水墨画が描かれている。また方丈庭園の眺めが最もよい位置に部屋が作られている。
▼「二十五菩薩の庭」
■高台寺 ねねの寺
知恩院から南に下ると高台寺がある。臨済宗建仁寺派の寺院で豊臣秀吉の正室である北政所が秀吉の冥福を祈るため建立した。寺号は北政所の落飾(仏門に入る)後の院号である高台院にちなむ。
▼方丈庭園
▼開山堂と霊屋を結ぶ屋根付きの階段「臥龍廊」
通路が「龍」の様に見える事から名づけられた。
■東寺
当初の計画では泉涌寺を拝観する予定だったが、高台寺まででだいぶ歩き疲れたので、午後は東寺までバスで移動し、五重塔の内部を見学することにした。
東寺は「東寺真言宗」の総本山。本尊に薬師如来が祀られ「教王護国寺」とも言われる。平安京鎮護のための官寺として建てられた東寺は、嵯峨天皇から真言宗の開祖弘法大師・空海に託された。
現在の京都は、御所をはじめとして大部分が東にずれてしまったが、東寺は唯一残る平安京の遺構だそうである。
・特別拝観の公開個所・・・五重塔の内部(東寺HPより)
「内部は極彩色で彩られた密教空間が広がっている。五重塔の各層を貫いている心柱は、大日如来として、その周りを四尊の如来、八尊の菩薩が囲んでいる。さらに、四方の柱に金剛界曼荼羅が描かれている」
今まで塔内部を見たことがなかったのでその荘厳さに驚いた。
五重の各層は下の層の上に乗せているだけで一層ごとに独立しており、また心柱は各層の荷重を支えておらず、支えているのは上部の相輪のみで、柱はただ礎石の上に立っているだけである。その結果、地震の際、初層が右に揺れると、二層は左に三層は右にと、互い違いに揺れる免震構造になっているのだそうだ。(参考HP:法隆寺五重塔はなぜ地震で倒れないのか?)
▼金堂には薬師如来、日光・月光菩薩が安置されている。
▼東寺の北大門をくぐると、観智院と洛南高校の間に数百メートルにわたって白い石畳が続いている。この道は櫛笥小路(くしげこうじ)と呼ばれる小路で、平安時代のままの道幅が残っているのはここの部分だけとのこと。
東寺を拝観後は京都駅まで歩き、お土産を買ってバスで宿まで戻った。
今日は寺の境内をあちこち歩き回ったので歩数計の歩行記録は13.5㎞にもなった。
明日の朝はゆっくり朝寝をしたいところだが、修学院離宮の拝観予約を9時にとってあるので早めに就寝した。
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