昨日までの雨でタケノコが頭を出し始めた。週末、富士見に行っていたので、その間に陽当たりのよいところにタケノコが何本も顔を出した。伸びすぎたタケノコも掘って、啓子さんのお友達や親せきにおすそ分けをした。
4/21にまだ地面にわずかしか出ていない若いタケノコが10本ほど採れたので、やよいさんに飯田に来てもらい、米ぬかを入れて茹でてアク抜きをした。
<タケノコのアク(えぐ味)について>
タケノコにはアクが多く含まれるので,アク抜きをしないとえぐ味が強い。このえぐ味成分はおもにシュウ酸(水溶性シュウ酸.シュウ酸ナトリウム)である。
名古屋大学の熱化学研究室に、このシュウ酸(化学式はHOOC-COOH)をシュウ酸カルシウムに結晶化して見える化する簡単な実験方法が載っていたので、試してみた。
参考URL:竹の子のあく | 名古屋大学熱化学プロセス研究室
方法:
1、タケノコ数切れをお湯(~200㏄)で20分ほど茹で,煮汁を冷ました後,水酸化カルシウム水溶液を加える。
2、水酸化カルシウム水溶液は,海苔やおせんべいの袋の中にある白い乾燥剤(生石灰)を水に溶かし,コーヒーフィルターなどでろ過すると簡単に作れる.
左:水酸化カルシウム溶液 右:タケノコの煮汁
3、水酸化カルシウム水溶液を煮汁に入れてかき混ぜると,すぐに濁る(下の写真.分量の目安は,煮汁:水酸化カルシウム水溶液=2:1)そして,数分放置すると,たくさんの白い結晶が現れる。
4、同様の実験を、あく抜きのために米ぬかで数時間茹でたタケノコでも実施してみる。
水酸化カルシウム溶液を加えても白くは濁らない(下の写真)
▼左のコップ(あく抜きしていないタケノコ煮汁)は白く濁るが、右の二つのコップ(あく抜きした煮汁)は白く濁らない。ただし、淡い緑色がちょっと濃くなった。これはなぜか不明。(※)
(※)淡い緑色の仮説:
鉄鍋で茹でたので、鉄イオンがタケノコに混入している。
化学の参考書によれば、鉄がイオンになる際、Fe3+ではなく圧倒的にFe2+になりやすい。Fe2+は黒錆になる。(鉄鍋やフライパンが黒い理由)
Fe2+ を含む水溶液は淡い緑色をしており、この水溶液に強塩基のものを加えると緑白色の水酸化鉄(Ⅱ)が沈殿するとのこと。
この仮説を検証するには、タケノコを茹でる鍋をアルミ鋳造品に替えて実験してみればよいかもしれない。
その他の参考URL:タケノコのあく抜き考察
ホームページより抜粋:
まとめるとやはりアク抜きの目的は『アクの主成分であるホモゲンチジン酸やシュウ酸を茹でることで流出させ、濃度を薄めること』のよう。タケノコのあく抜きは『米糠』を使っても『昆布』を使ってもどちらでもいいですが、おいしいのは『昆布』を使ったもの。また、濃度を薄めることが目的ですのでとにかくたっぷりの水で茹でる必要があります。大根おろしアク抜き法のメリットは風味成分の流出を最小限に抑えられることがメリットですが、皮の風味が味わえないというデメリットがありそうです。
つまり、もしもアク抜きが充分でないと思ったら、また茹でればいいだけのこと。10分間茹でて冷ますと、ゆで汁にアクが出ます。気になるようなら水を替えながら、これを繰り返すだけでOKです。ただ、アク抜きとタケノコの風味はトレードオフの関係にあるので、あまりアクを抜きすぎるとタケノコの風味も流出してしまいます。
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