第5日目(4/21)曇後雨 長尾駅~大窪寺
歩行距離: 17キロメートル
歩行時間:4時間
今日は午後から雨の予報。少しでも早く大窪寺に着くよう7時25分の長尾行き電車に乗る。長尾駅を8時に出発。当初の計画では女体山を越えるルートにしていたが、一昨日一宮寺で「大窪寺に行くには旧遍路道を使った方が距離は3㎞長いが楽だ」と言う情報を得たのでそちらを選択した。
長尾駅から約6km、前山ダムの道の駅の前にお遍路さんの交流サロンがあり、八十八ヶ所回ると「四国八十八ヶ所遍路大使任命書」をもらえるというネット記事を読んだので立ち寄ってみた。必要事項を申請書に記入し資料室の展示物を見ている間に任命書が作成され、記念バッジやCDと一緒に任命書を頂いた。タダでもらうのは申し訳ないので寄付金を申し入れると「今は不要」とのこと。サロンはさぬき市の補助金で運営しているそうだ。
任命書には第719号の数字がある。サロンの方に「お遍路さんはだいぶ増えましたか?」と尋ねると、「増えてはいるがまだまだ」とのこと。新型コロナ発生前の過去のネット記事を見ると、この時期の任命書のカウント数は1600とか1900となっているから、コロナ禍でお遍路さんの数は半分以下に減っているようだ。
遍路サロンで30分ほど休んだ後、残り10kmとなった遍路道を進む。しばらく行くと前に夫婦と思われるお遍路さんが見えた。前を行くお遍路さんにはたいてい数100メートル歩くと追いつくのだが、彼らにはなかなか追いつかない。1時間してようやく追いつき、軽く挨拶を交わし先に進んだ。ところが数km先の天体望遠鏡博物館でトイレ休憩していると、今度は彼らが私に追いついた。
雰囲気が笠夫妻によく似たご夫婦は、東京小金井にお住いの武富さんという方で、40日間通しでお寺を回ったそうだ。晴れの天気が続き、桜の季節とも重なり風景がきれいだったとのこと。二人とも登山が好きなので時々北アルプスに行くそうだ。どうりで歩くペースが速いわけだ。結局、大窪寺までの最後の3kmは彼らと一緒に歩くことになった。
<88番札所 大窪寺 おおくぼじ>
天気は予報よりも早く11時半ごろから雨が降り出したが、幸い大雨ではなかったので濡れることはなく、12時に88番大窪寺に無事到着した。
参拝を終え納経所で結願証を書いてもらった。
その後、寺の下にあるうどん屋(野田屋)でたらいうどんを食べた後、14時発のコミニュティバスでJR造田駅まで移動し、高松のホテルに向かった。
大窪寺にたどり着けば達成感が出てくるのかと思ったが、今回は2回に分けての短い距離の遍路の旅だったせいかあまり感激がない。本当は大窪寺から徳島に下り1番札所霊山寺にお礼参りをし、徳島に住む友人の眞野さんを訪ねれば話も弾むのだろうが、残念ながらその時間もない。そこでホテルから「今日、お遍路が結願した」ことをLINEしたところ、眞野さんから電話がかかってきた。6年前に徳島を訪れお遍路をスタートした頃のことや、互いの近況についてしばし話をした。
翌日4月22日は1時間ばかり特別名勝の栗林公園を見学し、10:40高松発の電車に飛び乗り飯田に戻った。栗林公園には1500本の松がありその広さに圧倒されたが、桂離宮のような繊細さは感じなかった。
まとめ
2016年のお遍路では歩きに加え自転車や車も利用したが、2018年の高知から今年の讃岐大窪寺までの約800㎞は歩き遍路で札所を回ることができた。お遍路を終え「もう一度お遍路をしたいか」自問自答してみた。 グレートトラバースの田中陽希さんが日本二百名山一筆書きを終えて、三百名山に挑戦した背景には、もっと一つ一つの山と四季を楽しみながら回りたいという思いがあったようだが、お遍路も同じで、1回目はひたすら八十八の札所巡りに徹しただけなので、もし次があるなら心の余裕を持ち、四季折々の四国を堪能する旅にしたいと思う。しかし人生下り坂、再挑戦するなら体力が落ちる前に回る必要がある。今年は高野山詣をするにとどめ、自分の健康状態をみながら次を考えたいと思う。
お遍路パート4のお遍路マップ
コスト:
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