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歳時記 農業

2022-12-12 市田柿の出荷

干し柿が完成し日ごろお世話になっている方々に送った。今年は春先の生理落下が多く、収量が少なくなるのではと心配したが、柿が肥大する9月は雨も多く、結局生理落下が適切な摘果となって大きな柿が収穫できた。収穫後の柿むき~包装作業は、厚木の妹夫婦に手伝ってもらった。揉み工程を4回にすることで、柔らかさや白い粉(ブドウ糖)の出方は適度なものに仕上がったように思う。2019年から剪定・施肥~消毒~収穫~吊るし・揉みの一連の工程を経験してきたが、依然計量パラメータがつかめず手探り状態。あるべき姿がわからない。今後、他の生産者のお話を聞く機会を持ち改善する必要がある。

以下、この一年間の経過を備忘録的にまとめおく。

柿の手入れ作業

冬の作業:
2021/11/10~11/15
・柿の剪定作業
小玉の柿が多数だったので、柿の収穫後すぐ剪定実施
2021/12/04~12/05
・円星落葉病対策-柿の落ち葉集め(焼却、埋める)
2021/12/04~12/05
・柿畑に鶏糞散布(2袋/樹)、樹の周り耕うん
2021/12/21
・柿の切り口に防腐剤塗布
2021/12/24
・柿の葉の片付け田んぼに運ぶ、焼却
2022/02/28
・柿の剪定木の焼却

春の作業:
2022/03/13 柿消毒 第1回目
2022/05/02 柿畑 草刈り
2022/05/05 柿消毒 第2回目
2022/05/28 柿畑 草刈り

夏の作業:
2022/06/11 柿消毒 第3回目
2022/06/24 柿畑 草刈り
2022/06/28 柿消毒 第4回目
2022/07/21 柿畑 草刈り
2022/07/23 柿消毒 第5回目、柿の摘果
今年は柿のなりが少なく、摘果をやらなくても良いくらい。
2022/07/31 柿の摘果
2022/08/11 柿消毒 第6回目
2022/08/19 柿畑 草刈り
2022/08/21 柿消毒 第7回目

秋の作業:
2022/09/11 柿消毒 第8回目
2022/09/29 柿畑 草刈り

2022/10/20,24 柿の干場設定、清掃
2022/10/29~10/31 柿収穫 合計25コンテナ出荷
2022/11/02~11/03 柿収穫 合計15コンテナ出荷, 家用6コンテナ収穫
今年は大玉の柿が多かったので家使いとして100~130g品を選別した。
2022/11/04 皮むき、燻蒸、吊るし 6コンテナ970個
2022/11/05 厚木夫妻、80g規格外の柿むき⇒燻蒸。合計57個を吊るす

2022/11/27 小玉柿はざ下し 57個
2022/11/28 柿の落葉片付け(下段)
2022/12/01 かごろじなど準備。衛生面で準備不足
2022/12/02 柿の取り込み(はざおろし)柿揉み機10㎏、2分 ⇒ピローシート寝かせ
2022/12/03~ 柿揉み、寝かせ 4回 柿揉み機:5分、8分、10分、10分
2022/12/10~11 柿梱包
2022/12/12 出荷

柿の観察・気づき

実が大きい:

今年は春先の生理落下が多く、7~8月の摘果作業はほとんどやらずに済んだ。当然収量が少なくなるのではと心配したが、8、9月の降水量が多くまた高温だったからか柿の肥大化が進み、収量的にはこれまでもっとも多い40コンテナを農協に出荷した。(昨年は33コンテナ)

▼8月23日の柿の状況

LLサイズが多い

条紋発生:

JA南信州のホームページを見ると、降雨により肥大が進み条紋が発生したが、その後天候に恵まれたことから影響は最小限にとどまっているとのこと。我が家の柿も北面の日陰の実に条紋が多く発生した。上垣内の話によると条紋を抑える消毒があるそうで、来年はそれも考慮しておきたい。
また柿の樹によって円星落葉病が発生した。昨年落葉処理はしたが、6月末に梅雨明け宣言が出て、その後梅雨のような天気になったので、結果として消毒のタイミングがずれてしまったのではないだろうか? 消毒も天気に合わせて臨機応変に実施する必要があるのではないか?
▼条紋と円星落葉病

皮むき~乾燥工程:

皮むきは例年どおり白山の柿むき機をお借りした。6コンテナで約2時間の作業だった。
燻蒸は穴の開いた鉄板を使っているため硫黄の燃焼が安定しない。JAでは燻蒸皿はフラットなステンレス皿を、またコメリはステンレスの灰皿を売っているので、来年はステンレス皿の購入が必要。

11月下旬から雨が降り、また気温も高かったため、乾燥が38%重量比率で止ってしまった。
ただし80gレベルの小玉の柿は35%まで乾燥が進みかえって固くなってしまった。小玉の場合は38%程度ではざ下しをしても良いと思われる。また乾燥初期は急激な乾燥を避けるため、日よけ防止の寒冷さを南側に吊るすことも必要と思われる。

乾燥 11/4~12/2

 

揉み工程:

11月の下旬は湿度、温度が高く、柿の乾燥が思うように進まなかった。12月になってからようやく零度近辺まで温度が下がりはざ下ろしをした。JAのデータでは揉み工程を3回程度にしているようだが、きれいな粉をつけるには回数が多いほうが良いように思わる。今回は柿の表面状態を見て、4回の揉み工程とした。

12/2 はざ下ろし → ヘタきり、柿揉み機2分/10㎏、ピローシート寝かせ
12/3 天日干し → 柿揉み1回目 5分/10㎏、ピローシート寝かせ
12/4 天日干し → ピローシート寝かせ
12/5 天日干し → 柿揉み2回目 8分/10㎏、米袋寝かせ
12/6 → コメ袋で寝かせ(4袋)
12/7 天日干し → 柿揉み3回目 10分/10㎏、米袋寝かせ
12/8 → コメ袋で寝かせ(4袋)
12/9 天日干し → 柿揉み4回目 10分/10㎏、米袋寝かせ
12/10 午後から梱包

▼2回目(8分)の柿揉み後、米袋に一日寝かせたところ少し粉がついた

4回目(10分)の柿揉み後、比較的きれいな粉がついた。

梱包・出荷:

柿が大きいので、700g化粧箱は20個入り、200gパックは6~8個入りとなった。(7個入りが最も多かった。)あらかじめ大、中、小で重量選別してから梱包した。

味:

最も大切な味だが、大玉の柿は適度な甘みだが小玉の柿は渋みがある。シブミール(メチルアルコール)による渋み検査すると、明らかに小玉のほうが黒っぽい。原因は小玉の揉みと乾燥にあるように思う。昨年は小玉と大玉を分け、揉み工程も小玉は多めに行ったが今年は分けなかった。また小玉のほうが乾燥が早く進むので38%重量比程度で揉み工程に移したほうが良い。

▼シブミールでの検査結果

4月からの気象データ:

▼温度:4月は5月と同じくらい暖かく、6月下旬から9月中旬まで高温

▼雨量:6月は雨量少なく、6月末に梅雨明け宣言がされたものの、7月~9月は天気がすぐれず、結果として柿の肥大期に雨量が多くなった。

▼湿度:柿の乾燥状態を決める11月中旬以降、天気が悪く、湿度、温度高止まり。

 

 

 

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