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四国遍路 四国遍路2023 歳時記

2023年 四国再訪(3)阿波海南駅~民宿椎名

エスバードの出勤カレンダーで長い休みが続いたので、先月に続き高知までの歩き遍路を再開。4日間で徳島県の海部から高知市の善楽寺まで、約150kmを歩くことができた。

3月13日(月)雨のち晴れ 阿波南海駅へ移動

朝から雨。瑞浪駅に着く頃から雨が小降りになり徳島に着くと雲間から日差しが覗いた。徳島から阿波海南駅まで2時間半電車に揺られ、民宿海部には18時過ぎに到着した。隣のスーパーで夕食を買おうとしたところお弁当は売り切れ。仕方なくお惣菜などを買って遅い夕食をとった。

 3月14日(火)晴 海部~東洋町~民宿椎名 38㎞

今日は国道55号線を南下し38キロ先の民宿椎名まで歩く。38㎞は長いので本当はその手前の民宿に泊まりたかったが、コロナが落ち着き観光客やお遍路さんが多いのか、どこの民宿も満室。宿を取るのに苦労した。

民宿海部の石久保さんは親切な方で今日の道程について詳しく教えてくれた。「ここからは5キロ先のコンビニ以外、室戸の佐喜浜までスーパーがない。特に東洋大師から佐喜浜までの15キロは自販機もないので注意してください。」とのことだった。

朝7時15分に宿を出発。5キロ先のコンビニで今日の昼食を買い求め、遍路道の途中にある天然記念物「宍喰浦の化石漣痕」に立ち寄った。6年前にも訪れているが、その後、日本列島の成り立ちについて少し知識を得てからこの化石を見なおすと、その凄さに圧倒された。泥岩・砂岩の互層構造の中に4500万年前に形作られた海流のリップルマークが見事に残っている。プレートテクトニクスによりその地層は80度くらいの傾きでそそり立っていた。

国道55号線に戻り東洋町方面に向かうと、前には外国人のお遍路さんや私と同じような60歳代のお遍路さんが数人歩いていた。これまでこんなに多くのお遍路さんを見たことがない。どおりで宿もいっぱいなわけだ。生見の東洋町役場を過ぎると、ポンカンの出荷作業をしているお婆さんからお接待でポンカンを頂いた。日差しが暑いので喉を潤す柑橘類はありがたい。

▼東洋町町役場

▼生見のサーフィンビーチでは若者がサーフィンを楽しんでいる

▼東洋大師

東洋大師をお参りした後、野根の集落の中にあるスーパーで軽食をとり、22㎞先の民宿椎名に向かう。その間は集落はほとんどなく、左手に太平洋、右は崖の国道をただ黙々と歩くだけなので「難関区間」と言われているが、天気は快晴で、海岸線も変化するのでそう辛くはなかった。

途中、法海上人堂で昼食休憩をし、歩くこと約5時間、ようやく夫婦岩が見えてきた。

▼法海上人堂

▼夫婦岩

▼夫婦岩を振り返る

ここからさらに2㎞歩き、民宿椎名には16時過ぎに到着した。

玄関に入ると人の良さそうなお母さんが迎えてくれた。民宿には私の他にもう1人お遍路さんが泊まっていた。東京の日野から来た方で、「通し打ちで回るのは大変なので、ゆっくりお寺を鑑賞しながら8回に分けて回っている」とのことだった。お風呂をすまして夕食に呼ばれると、食卓にはステーキとスパゲティーが並んでいた。

これまで民宿の食事でステーキを経験したことがなかったのでびっくりした。聞けば「女将さんもお遍路でいろいろな宿に泊まっているが、旅館で出される食事は刺身に天ぷらと決まっている。お遍路さんも毎回同じメニューでは飽きてしまうだろうから、あえて洋風にしている」との事だった。”土佐のはちきん”の女将さんや東京のお遍路さんとにぎやかに会話をしながら、夕食を美味しくいただいた。

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