3月16日(木)晴れ 加領郷~神峯寺~安芸市~赤野駅 36㎞
今日は加領郷までバスで戻り、そこから標高400mの山の上にある27番札所神峯寺を目指す。その後、安芸市の「くろしお鉄道ごめん・なはり線」の穴内駅まで歩く予定。昨日、加領郷まで歩いたので歩行距離は当初の計画より5㎞短い31㎞。天気は曇りの予報だが、朝から日が差していて気温も湿度も高い。
加領郷から海岸線を歩き、安田町の街並みを抜け神峯寺の参道へ進む。急勾配の道を登ると6年前に来たときに車を止め、そこから神峯寺に歩いて登った空き地があった。不思議なもので歩いているとその記憶がよみがえってくる。
▼加領郷から奈半利方面を望む
▼6年前に車を止めた空き地
神峯寺に続く山道を登ると前から2人連れの外人が降りてきた。一昨日東洋町で会った外国人だ。ずいぶん早いペースで歩いている。聞けば、1日50キロ位歩けるかと思ったけれどもとても無理で、途中バスを使って歩いているとのことだった。
<第27番札所神峯寺 こうのみねじ>
急登を登ること50分、第27番札所神峯寺には11:15に着いた。
▼寺からは遠くに太平洋が望めた。
寺のベンチで昼食休憩をとり山道を下って国道に向かうと「安田町化石体験場」があった。260~270万年前の地層が露出していて当時の土佐湾の貝類の化石を採集できるようだ。そこで化石を探してみると、二枚貝の欠片らしき化石がすぐに見つかった。子供らには楽しい場所だろう。
道中で気になったのは道路行政。この化石採集場のために造ったのか幅7m程の立派な道ができている。しかし車は全く通る気配がない。これも「日本の田舎になぜこんな自動車道があるのかという疑問(questionable economic benefits)」の典型例だ。
神峯寺から下って大山岬に続く国道は、隣に新しいバイパスのトンネルができているので、車はほとんど走っていない。岬の近くには数件のドライブインがあるが、「車の通行がなくなると店もやっていけなくなるのだろう」と思いながら歩いて行くと、「道の駅大山600m先」と言う道路標識が出ている。ならばそこで休憩しようと歩いて行くと、なんと道の駅は解体工事中だった。やはり新しいトンネルができたので営業できなくなったようだ。そして今はバイパスに並行して高速道路が作られようとしている。本当に高速道は必要なのだろうか? ここでも日本の税金の使い方について考えさせられた。
▼大山岬より安芸市方向を望む
大山岬から堤防沿いに安芸市伊尾木まで歩き、続いて国道55号線から安芸の旧市街道に入ると、吉良川や安田の街と同じように漆喰の壁に瓦の軒を埋め込んだ独特な建物が立っていた。漆喰は台風や塩害から家屋を守るためなのだろう。
安芸市街を歩くこと約4㎞、市街地の西端にあるカリヨン広場に到着。ここから「道の駅やす」までの14kmはサイクリングロードが続いている。もともとは土佐電鉄安芸線が走っていた軌道のようだ。今日は温度と湿度が高くずいぶん疲れたが、まだ時間もあるし、しばらくは車の騒音を気にせず歩けるので、穴内駅から4キロ先の赤野駅まで歩くことにした。ところが途中、高速道路工事でサイクリングロードが寸断され通行止めになっていた。16:57の電車に間に合わない恐れがあったので、迂回路では歩くスピードを上げざるを得ず、すっかり体力を消耗した。
「赤野駅」から「のいち駅」まで電車で移動し、駅の近くのファミレスで夕食をとり、今日の宿の高知黒潮ホテルに入った。明日の天気予報は朝から雨。午後になると雨も強くなりそうだ。そこで明日は28番札所大日寺で遍路を終わらせて、その日のうちに飯田に戻るように計画を変更し、翌日の宿をキャンセルした。
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