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旅の記録 歳時記 山行記録

2023-06-07~10 北海道・利尻山登山その2

6月7日(水) 利尻島に移動

朝、ホテルを出てノシャップ岬に行ってみると、うっすらとしたモヤの中に利尻山が望めた。これなら計画を変更せず、今日は山に登れたかもしれないと少々後悔しながらフェリーターミナルに向かった。

▼ノシャップ岬からの朝の利尻島

▼11時10分のフェリーに乗り、利尻の鴛泊に向かう。船からは利尻島が見える。

▼鴛泊港には12時50分に到着。
フェリーターミナルの近くにある標高93mのペシ岬。

フェリーターミナルの食堂で昼飯を取り、続いて近くのコンビニで今日と明日の食料を買って、標高200mに位置する利尻北麓野営場までの道を約4km登って行った。

▼管理棟で受付を済ませテントを設営。テントは私を含めて4張だった。雨よけも兼ねて大きなトドマツ?の下にテントを張った

テントを張り終えると、近くのテントの方が「明日、登山ですか? 私は今朝、利尻山に登ったが、早朝の山頂は晴れていて礼文や北海道が見渡せましたよ。」と話しかけて来た。聞けば大町市からバイクで来たとのこと。同県の人と思うと会話が弾み、夕食を一緒に取った後、明日の登山に備えて19時半ごろシュラフに入った。

6月8日(木) 利尻山登頂

朝は3時前に目が覚めた。トイレを済ませて軽い朝食を取り、3時50分に野営場を出発した。幸い天気は良さそう。ただ麓はガスに覆われていた。これから1500mの高度を登らねばならいので、脚に負担をかけないように、いつもよりゆっくりしたペースで登って行った。

▼テントサイトから500m登ると甘露泉水の水場がある。

▼760mの6合目(第一見晴台)まで登ると長官山に続く尾根が見えた。一方海の方は雲に覆われて雲海になっている。

このまま天気がもって欲しいと願いながらハイマツ帯の急な尾根道を1時間登ると、長官山の肩(8合目)に到着。ここで利尻山の三角の姿が現れた。赤い火山岩の山容はなんとなく八ヶ岳の赤岳に似ている。ここからまだ500m登らねばならないが、まずはこの勇姿が見えてほっとする。

▼6時50分、麓から3時間かけて1230m地点にある避難小屋に着いた。ここで少々長めの休憩をとり、最後の急登に備える。

避難小屋から残雪の雪渓を横切り9合目(1410m)に向かう。

▼長官山方面を振り返る

▼9合目から山頂を見上げる

崩れやすい火山岩の急な登山道はよく整備されていて危険なところはない

避難小屋から約1時間半のアルバイトで8時15分に山頂に到着。

山頂は私が今日一番乗りで、誰もいないのが気持ちが良い。残念ながら海は雲海の下で礼文は見えなかったが、鴛泊に向かうフェリーがポツンと雲の隙間から確認できた。

▼礼文方面

▼利尻北峰より南峰とローソク岩を望む

▼ローソク岩と沓形登山道方面

しばらく休憩していると外国人の方が登ってきたのでお互いのカメラで記念撮影をした。(札幌に住むドイツ人の方で、彼とはその後下山で抜きつ抜かれて親しくなり、麓で小一時間ほど談笑しLINE交換した。)

山頂で小一時間休み、登山道に咲く花を写真に収めながら下山した。

▼エゾエンゴサク

▼ミヤマスミレ?

▼オオバナノエンレイソウ

▼ヒメマイズルソウ

▼ミヤマシキミ

▼ウコンウツギ

▼ツバメオモト

▼ザゼンソウ(避難小屋近く)帰りに撮影を忘れたのでネット記事借用

ネット記事を見ていた時は、「利尻山はアプローチが長いちょっと手強い山」とイメージしていたが、崩れやすい登山道はよく整備されて登りやすく、また下山途中、スペインや韓国、中国?から来た登山者に出会うと、利尻は実は観光化された山なのだと感じた。

山行計画では「登り5時間、下り4時間」としていたが、コースタイムは休憩の1時間20分を入れても、それぞれ4時間、3時間の合計7時間20分だった。未踏の百名山にトライできる体力はまだありそうだ。

合計距離: 12924 m
最高点の標高: 1717 m
最低点の標高: 221 m
総所要時間: 07:21:23

ヤマレコによるコースタイム記録

下山後、野営場に張ったテントをたたみ、昼飯のパンを食べた後、鴛泊港に向かった。予定より早く下山したので、稚内行きのフェリーの出発時間までまだ3時間もあったが、重い荷物を背負って観光するわけにもいかず、港のラーメン屋で島で採れた海藻いっぱいのラーメンを食べて出港時間を待った。

海藻ラーメン

▼利尻島を後に稚内へ向かう

6月9日(金) サロベツ原野~札幌へ

稚内に来て計画を変更したので当初予約していたホテルをキャンセルしたが、新たにホテルを取ろうとするとどこも満室だった。しかたなく昨夜はゲストハウス「モシリパ」に泊まった。ゲストハウスのご主人の話では、「6月から9月は稚内・利尻・礼文は観光のハイシーズンで宿が一杯になる。宿泊料も素泊まりで1万円以上と高い。それはこの季節にしか観光客が来ないので、宿泊業を続けるにはこうした値段設定をするしかない」のだそうだ。

ゲストハウスは同じ部屋を数人でシェアするので山小屋に泊まるようなものだが、ここも外国の観光客が多いのに驚いた。私のベットの隣は韓国の方でやはり明後日、利尻山に登るとのことだった。

6月9日は、朝7時過ぎにゲストハウスを出てサロベツ原野に向かった。
サロベツ原野は、1万年ほど前、海とつながる大きな潟湖に生えた植物が枯れて、分解されないまま泥炭となって積み重なり湿原になった日本最大の高層湿原。面積は東西8km、南北27kmに及び、多くの渡り鳥などの生き物の宝庫でもあることからラムサール条約湿地として認められている。(サロベツ湿原センターHP

サロベツ湿原センターのレストハウス

湿原の中には長さ約1㎞の木道がある。

湿原から利尻山を望む

▼しゅんせつ船で泥炭を採掘して燃料として利用した時期があり、湿原が破壊されたため回復の取り組みが行われている。

▼サロベツ原野を後に札幌へ。途中天塩川を越える

札幌に近づくと激しい雨が降ってきたが、市内のホテルに着くころには雨も止み、夕方、ホテルの近くにある札幌時計台まで散策した。しかしここもアジア系の外国観光客であふれていてびっくりした。

札幌では大学時代の友人の折原さんに会うことを考えていた。ただ今回の山行は天気が読めず、計画を臨機応変に変更するつもりだったので、折原さんにはあらかじめ連絡を入れていなかった。そこで前日になってメールするとちょうど飯田へ帰省中とのこと。残念ながら全くのすれ違いになってしまった。しかし、折原さんに気を遣っていただき、その夜は奥さんの晶子さんと夕食をご一緒することができた。彼女のアルバイト先は偶然にも私の泊まるホテルに近く、落ち合うのも好都合だった。

翌朝、ホテルの窓のカーテンを開けると、今回の山行を祝福してくれるかのようにきれいな虹が札幌の街にかかっていた。

ホテルをチェックアウトした後、レンタカーを返却し札幌駅からバスで丘珠空港に移動。FDAで松本空港に戻り6日間の旅を終えた。

 

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