七夕の東京都知事選は現職の小池百合子が3期目の当選を果たした。当初マスコミは小池氏と立憲民主党の蓮舫氏の一騎打ちになるという論評だったが、選挙の中盤からは前安芸高田市長の石丸氏がSNSの活用で無党派層の関心を集め、最終的には蓮舫氏を抑えて次点となった。
石丸氏の「政治屋の一掃」という今の政治状況を批判する言葉は、既成政党に辟易している無党派層にSNSを通じて浸透し、日増しに支持者を増やしたようだ。現代の若者の多くはTVをはじめとしたマスメディアよりも、YoutubeやXなどから自分の興味ある情報を能動的に拾っており、石丸陣営はこのトレンド、性向を巧みに利用した。
しかし、新聞赤旗によると、
「石丸氏は、「政治屋の一掃」などと豪語しますが、「裏金議員」の一人である自民党の萩生田光一衆院議員が主宰するTOKYO自民党政経塾の小田全宏塾長代行が、石丸氏の選対本部長を務めています。」
とのこと。
小池=蓮舫の2択では小池氏が不利とみた自民党が、石丸の擁立を陰で支えて蓮舫氏の得票を奪う戦術を考えていたかもしれない。実際、石丸氏と蓮舫氏の得票数の合計は小池氏を上回っている。昨今の裏金問題で、都知事選でも小池氏が落選する恐れがあると見た自民党の選挙戦略部隊は、電通?などを使って巧妙に石丸を持ち上げたのではないかと妄想してしまう。
一夜明けて、マスコミは小池氏以上に石丸氏善戦の報道一色である。しかし石丸氏に投票した民意の分析は想像のコメントであって、現実・現場に依拠した分析は相変わらずできていない。
マスコミの報道にはないが、今回の都知事選で個人的にもっとも注目したのは若干33歳、AIエンジニアの安野貴博氏である。彼はマニフェストとして以下の7つの政策を掲げ、IT技術後進国となった日本をなんとかIT技術で経済を活性化し、それによって未来をより良い社会にしたいという強い意志をもったストーリー性のある具体的な提言を行っていた。
安野貴博氏のHPより:
1、現役世代:新産業で所得倍増
2、先輩世代:とことん安心の医療・防災
3、未来世代:世界一の子育て・教育環境
4、行政運営:行政をもっと簡単、透明に
5、民主主義:高速な民意反映
6、実現のための想定予算と財源確保の手当て
類は友を呼ぶというが、彼の奥さんや友人の応援演説も好感が持てた。
こうした賢いスマートな人材が今後の日本を創っていかないと日本の未来はない。おそらく彼の施策を実行するためには、予算が潤沢で世界が注目する東京が最適と思ったのだろうが、彼の思いの一部でも実現し、そのリアリティを世間に示すために、東京ではなく首都圏のどこかの首長で再チャレンジして欲しいと思った。
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