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歳時記

2022/03/30 桜開花と雑感

飯田地方はここ数日の暖かさで、あちこちで桜が咲き始めている。3/27に天竜峡の基準木の開花宣言があったが、堤屋のソメイヨシノも5つくらい花が咲いたので本日3/30開花宣言。これから少々寒くなるようなので、満開は4月7日頃になるだろうか。

桜よりも数日早くモクレンやサクランボの花も咲いた。陽が濃くなりウグイスも鳴きはじめ、生命の息吹を感じて気持ちが良い。そのいっぽうで雑草が一気に勢いを増しそう。5月からの草刈り作業を思うとちょっと憂鬱。

2月末から区の会計決算業務やお遍路行きで自分の周りのことに集中している間、世界ではロシアがウクライナに侵攻し、罪のない民間人の命が奪われている。この戦争ではSNSがメディアの中心となり、現場から悲惨な写真や映像が世界に発信されたことで、ロシアの侵攻に非難が集中している。

2月の終わりにロシア軍が電撃的にウクライナの空軍基地を空爆した時は、クリミア侵攻と同様、西は何も手を出せずに、ロシアの傀儡政権に転覆させられるかと思ったが、ウクライナの最先端技術の携帯式対戦車ミサイルやドローン等を駆使した攻撃に、ロシア軍も苦戦を強いられているようだ。さらに西側の団結した強力な経済制裁でロシア経済もじわりじわりと厳しくなり、ロシア国内では反プーチンの動きが出てきている。

それにしても、なぜプーチンはウクライナに侵攻したのだろうか? 1990年、ベルリンの壁が崩れ東西冷戦が終了した時のロシアと西側の約束は、「NATOを東方拡大しない」ということだったのに、それを西側が破り続けているからだという記事があったが、はたしてそれだけなのだろうか? 新型コロナのパンデミックで世界の経済活動が停滞し、資源国のロシア経済が厳しくなっている中、国民の不満・関心をウクライナ問題に集め、戦争に勝利して領土を奪取することで、プーチンの批判勢力を抑えるためでないのだろうか?

戦争の大義、とくに侵攻側の大義とは何なのだろう? 考えてみると9.11を起点としたアメリカのアフガン侵攻や、大量破壊兵器を持っているという捏造情報からのイラク・フセイン政権の転覆等、西側(アメリカ+英国)は国連軍という名のもと、イスラム諸国へ一方的な侵攻を積み重ねてきた。今回のウクライナ侵攻は、西側の論理からすればロシアによる不条理な侵攻であるが、実はアメリカこそがロシアと同じようなことをやり続けてきたわけである。20年前はスマホやSNSというメディアもなく、また西側の国が攻撃される戦争ではなかったので、現場の本当の実態や悲惨さが同時的に世界から批判されることは少なかったが、当時のブッシュ政権が権力の座に居座りたい「欲望」から、あるいはブッシュ政権を取り巻く石油産業、軍需産業の貪欲な資本家が、彼らの金欲のために、罪なき多くの一般人の命・生活を奪い、中東地域に政治的混乱・治安悪化をもたらしたことは、戦後の調査で明らかになっている。

こうした歴史を振り返えれば、西側の論理と対峙しロシアと深い経済関係にある中国、インドが中立の立場を維持しているのもうなづける。戦争の発端の根底には、国を実効支配する者の永続的な権利欲がある。

ところで、西側がロシアに経済制裁を加えられるのもSWIFTというドルを中心とした経済圏の仕組みにロシアも載っているからのようだが、もしロシアや中国、中東諸国等、アメリカを良く思っていない国々がドルに頼らない貿易を加速すればドルの価値はどうなるのだろう。実際、西側の経済制裁に対し、ロシアは天然ガスの代金をルーブル建てで支払うように要求している。こうした要求は今後、他の国に波及してもおかしくない。現在の世界においては、中国は最大の工業国であり、ロシアは最大の資源国である。そしてインド、中国、中東諸国の人口の合計は世界人口の半分に近い。これらの国々が結束してドル依存の仕組みから脱却すれば、基軸通貨としてのドルの地位は低下する。そしてドル、ユーロにかわり、人民元の価値が高まる可能性があるかもしれない。新型コロナのパンデミックをトリガーとして、世界の潮流が変わりつつあるように思う。

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