第3日目(4/19)晴 国分寺~一宮寺
歩行距離: 33キロメートル
歩行時間:9時間
今日は今回の遍路で最も大変だと思われる山道の巡礼である。標高約400メートルの台形状の五色台の山塊の東西に位置する2つの寺、白峯寺と根香寺をめぐり、根香寺から山を下って12㎞先の一宮寺を目指す。
<第81番札所 白峯寺 しろみねじ>
高松駅から昨日打ち止めした国分寺駅まで戻り、駅を8:15に出発。
山道を登ること1時間で標高400メートル地点を通る県道180号に合流した。そこから陸上自衛隊演習場の横を抜け白峯寺には10時に到着した。
遍路道は自衛隊演習場の横を通る
白峯寺で休憩をし根香寺に向かう。根香寺に通じる山道「根香寺道」の道沿いには道標や丁石が多く残っており、歴史的な景観をとどめている。道標に混じって時々「陸軍所有地」という古い石柱がある。戦前から善通寺には陸軍の師団が置かれてあり、その演習場がこの五色台にあったようだ。
根香寺まで残り約2㎞、「十九丁目」の丁石の所に休憩用のベンチとともに無人の「お遍路さん臨時接待所」が設けられ、お茶やジュースを入れたコンテナが置いてあった。こんな奇特なことをする方は誰だろうと驚いた。
遍路道はいったん県道に出るが、それからまたしばらく山道を下ると82番札所根香寺に到着した。
<第82番札所 根香寺 ねごろじ>
仁王門から本堂に向かう階段は新緑の楓の葉で覆われて美しかった。
根香寺の石段や石垣を見ると黒っぽい濃いつやのある色の岩で構成されている。納経所の方に「この石垣はこの近辺で採った石で造ったのですか?」と尋ねたところ、そうだとのこと。後ほど産総研の地質Naviで調べたところ、この辺りの地質は安山岩となっていた。とするといわゆる讃岐岩(サヌカイト)だったのかもしれない。
根香寺のきれいな楓の下で昼食をとり、「あとは下りだけだ」とちょっと気を緩めて道を下っていくと、相容れない遍路道の道標にぶつかった。一つは「一宮寺右へ」の矢印が刻まれた石柱、もう一つは「へんろ道」と書かれた看板でその矢印は左を差している。どちらが正しいのだろう?。当然、新しい石柱のほうが正しいだろうという先入観と、ガードレールに貼られた昔の遍路シールが右を差していることから右の道を選んだところ大間違い。約2㎞ほどの遠回りとなり、結局根香寺から14㎞歩くはめになり、一宮寺には予定より30分遅く着いた。
<第83番札所 一宮寺 いちのみやじ>
さすがに疲れたのでベンチで休憩しようとザックからお菓子の入ったビニール袋を出しトイレから戻ると、なんとカラスがビニール袋を加えて飛び立とうとしている。慌てて追い払ってことなきを得たが、行いが悪いのかどうも悪いことが続く。さらに一宮寺から高松市瓦町のホテルまでの7㎞は、夏のような西日を受けながら交通量の激しい道を歩かねばならずすっかり困ぱいした。目標に向かって最後まで気を緩めてはならないことを反省した半日だった。
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