エンジェルスからフリーエージェントとなっていた大谷翔平選手が、ドジャースと契約することを決めたと自身のインスタグラムで発表した。契約は10年で総額7億ドル、日本円でおよそ1015億円で、これはプロスポーツ史上最高額の契約とのことだ。
大谷選手の目標達成方法について
ところで大谷選手を世界最高のプレーヤーにし、今もストイックなまでに自身を進化させようとする彼の行動の原点には、ネットでも紹介されている原田メソッドにありそうだ。原田メソッドは、荒廃した大阪市立松虫中学校に赴任した原田隆史先生が、学校再生のため「陸上部の子どもたちを2年後に日本一にする」と宣言して実現させていった指導法である。
原田先生は生徒たちを変えるため、経営者の勉強会でマネジメントの発想を学ぶとともに、強い選手の徹底研究を行った。その結果、成功者に共通しているのは強い勝利意識と高い目標設定であり、強い選手ほど「心」を大切にしていることを知る。そこで、心づくりの指導として、靴をそろえる、挨拶(あいさつ)するなどの「態度教育」と、独自の長期目標設定用紙を使った「目標設定」を実践した。紙に書き込むことで目標を鮮明にし、態度教育で心を磨き、継続によって心を強くし、日誌を書いて心を整理する指導を行った。(※カリスマ体育教師の常勝教育「Amazon書評」より一部抜粋)
心を鍛えて、他人に頼らない「自立型人間」を育てていくこの原田メソッドを、大谷選手が育った花巻東高等学校野球部の佐々木洋監督が指導の中に一部取り入れている。彼が高校1年で作成したマンダラチャートはメディアでも取り上げられていて有名だ。(プレジデントオンライン記事より抜粋)
大谷選手の目標達成の本質は、抽象度が高い夢であっても、分解しながらやるべきことを具現化していく論理的な整理と見える化にある。日本人は何かを達成しようとすると、やり方・手段ばかりにこだわる習性があり、目的を見失いがちで、欧米人に比べて論理的思考が弱いように思う。しかし、日本人の大谷選手が世界一になったのだから、日本のあらゆる場面で原田メソッドのような目標達成のための論理的思考教育がなされ、一つ一つの課題を丹念に克服していけば、世界から尊敬され、リーダーシップを発揮できる国民が多く輩出され、国も良くなるのではないか。彼の移籍のニュースを聞きながらそんな未来も感じた。
(※原田氏の「カリスマ体育教師の常勝教育」は、会社時代、優秀なO先輩から紹介されて読んだ本。私のような凡人は、Oさんのような優秀な人から刺激を受ける機会を多く持つことが必要だ。そもそも目標達成のやり方について考えたことがないのだから、その気づきを与えてくれる人に出会うことが重要である・・・。)
夢のない政治家どもの腐敗
大谷選手の話題とともに、今、自民党の派閥の資金集めのパーティーで政治資金収支報告書に記載していない裏金問題がマスコミの注目の的になっている。この疑惑は昨年11月、「しんぶん赤旗」日曜版がスクープし、この記事に触発された神戸学院大教授の上脇博之さんが、政治団体の収支報告書の記載を一つ一つ確認して、東京地検に告発したことに端を発しているようだが、(東京新聞記事より)安倍派潰しとも思われるこの動きの黒幕は誰なのか?
ところで本来政治家は、「政治家になって○○を実現したい」という目標・夢があるはずだが、今の政治家は地位と権力と金を満喫できるポストに居座ることが目的のようだ。大谷選手が「野球で世界一」の夢を目指している結果として、1015億円の契約を獲得しているのとまったく対照的だ。政界には大谷選手のような大きな夢を持った政治家は出てこないのだろうか? 既成政党の政治家には、大谷選手の爪の垢を煎じて飲んでもらいたい気持でいっぱいである。
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