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歳時記

東日本大震災から10年(2021-3-11)

東日本大震災から今日で10年目。各地で追悼式が行われるとともに、マスコミも特集番組を組んでいる。
当時、震災と原発事故が重なる最悪な状況の中で、被災者にとって、これまでの日常生活が戻ってくることは最低限の悲願であったから、政府も自治体もその意を汲んで、現状復帰と大津波に耐える強固な防波堤の整備を目標とした国土計画が策定されてしまった。もう少しじっくり腰を落ち着けて、未来を指向した計画の策定が必要ではないかという意見もあったと思うが、行政にとって、困難に置かれている住民や国民を納得させるためには、土木・建築を主とする予算策定が手っ取り早く、実行しやすかったのではないだろうか?

大きな災害があったからこそ、ある意味過去のしがらみを捨て、ゼロベースで次の100年を見据えた街づくりができるチャンスであったのに、この10年は土木事業主体の現状復帰(=過去への復帰)の10年間だったような気がする。町はきれいに区画整理されたものの、10年の月日は長く、高齢化が進み、他の土地で新たな生活を始めている住民が多い中、町に戻ってこようとする住民は少ないとの報道である。

海外メディアのウォールストリートジャーナルも、
「日本政府は震災から10年、景観を遮る高い防波堤と建物の再建に30兆円以上費やしたが、これらの地域は高齢化が進み若者は都会に出て人口減少が著しい。元の場所に建物を再建して防波堤を築くより、減り続ける居住者を高台に移した方が効率的だったのでは?」と問題提起をしている。

菅首相は、東日本大震災10周年追悼式において

今後も、被災者の生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を行ってまいります。中長期的な対応が必要な原子力災害被災地域においては、帰還に向けた生活環境の整備や産業・なりわいの再生支援などを着実に進めます。来年度からの第2期復興・創生期間においても、福島の本格的な復興・再生、そして東北復興の総仕上げに、全力を尽くしてまいります。」

と述べたが、この10年間の環境変化と現状をしっかり認識した上で、今の延長線ではない復興の在り方を考えてほしいものだ。しかし、いつの時代も日本の官僚は、目的と手段を履き違え、時代にそぐわなくなった計画も、「決めたことを実現することが仕事」と思っているので、今後も時代遅れの事業に血税を使うことになると思うとまったく嫌になるし情けない。今の行政には期待できないから、楽天の三木谷さんのように起業家精神のある経営者が声を挙げて、改革の方向を変えてくれないだろうか。。。

 

 

 

 

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